5月31日(金)「PICC研修会」を開催いたしました。
5月31日(金曜日)田岡病院でPICC(末梢静脈挿入型中心静脈カテーテル)研修会を開催しました。病院外から51名の方が参加していただきました。たくさんのご参加ありがとうございました。
ご参加頂きました皆さまからのアンケート結果や、当日頂いた質問のQ&Aを掲載しましたのでご覧ください。多くの方にPICCについてご理解いただき、皆さまのご施設にて患者様の治療や療養の際、お役に立てればと思います。
当院では、4月1日よりPICC外来を開設して対応しておりますので、お申し込みは勿論、疑問や質問がございましたらいつでも気軽にお問合せ下さい。
PICCのお申し込み・お問い合わせは「患者支援センター」でお受けしております。
アンケート集計結果(当日ご参加頂いた51名に記載して頂きました。)
研修内容について
非常に良かった | 33 |
---|---|
良かった | 18 |
普通 | 0 |
あまり良くなかった | 0 |
非常に良くなかった | 0 |
PICCを使用できる症例がありそうか
多くある | 10 |
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ある | 26 |
少しある | 7 |
ない | 4 |
今後あるかもしれない | 1 |
無回答 | 3 |
PICCは血管確保に有用だと感じたか
とても感じた | 31 |
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感じた | 20 |
普通 | 0 |
あまり感じない | 0 |
全く感じない | 0 |
Q&A
Q1 PICCの後ろ側の輸液に繋ぐ部分のキャップの管理はどうしているのか?
アルコール綿の外装に入れ保管しています。
キャップを紛失した際は、他のキャップで代用可能です。
(三方活栓のキャップ・プラネクターのキャップなど)
接続時は必ずアルコール綿で消毒を行うようにしています。
Q2 留置期間の長期間とは具体的にどれくらいか?
ガイドラインでは3か月と示されています。3か月を超える場合はCVポートが適応となります。
ただし、必ずしも3か月以内ではなく、それ以上の使用に関しても閉塞や感染兆候のない場合は100日以上使用した症例もあります。
Q3 カテーテルを挿入するときはスムーズに入ることが多いか?
ほとんどの症例で問題なくスムーズに挿入できています。これまでに実施した中で1症例閉塞していた方がおられましたが、少しでも開通していればワイヤーやカテーテルを挿入することができます。
Q4 抑制が必要な方の固定方法は?
挿入部位を包帯やネットで保護しています。またはPICCと輸液を接続したら輸液ラインを上腕から肩までテープで固定したり、逆に前腕までテープで固定する方法もあります。
Q5 サブルートもフラッシュは必要か?
メインルートと同様に7日毎のフラッシュを実施することで閉塞予防につながります。
Q6 年を超えて長期入院の方でルートがとりにくい方などには向かない気がしますが、PICCが有効となる症例はどういった方になるのでしょうか?
ガイドラインではPICC挿入期間は3か月となっており、それ以上の場合はCVポートが適応となります。しかし、長期間の点滴が予測される症例であってもPICC挿入の適応であり、まずはPICC挿入し、状況に応じてCVポートを造設される方もおられます。
Q7 認知症の方が多いので抜去されるリスクを考えるとCVポートのほうが点滴していない間の管理がしやすいと思ってしまう。
CVポートの抜去リスクはないですが、PICCの場合も使用していない間、挿入部とカテーテル全体を包帯で保護すると抜去のリスクが減少すると考えます。
Q8 PICCの種類について
カテーテルの種類は多様にあり、耐圧カテーテルなど検査に対応できるものもあります。ルーメンに関しては、シングル・ダブル・トリプルの3種類があります。その他グローションカテーテル、オープンエンドタイプなどがあります。
Q9 生食フラッシュ・ヘパリンロックの適応について
採血後や点滴後または7日ごとに生食フラッシュが必要です。ガイドラインでは生食フラッシュの後ヘパリンロックを行うと示されていますが、当院では生食フラッシュを十分に行い、生食で陽圧ロックを行っています。
Q10 採血時、メインを止めた場合にデータに影響はないか
採血を行う場合は、必ずメインの点滴を止め、5~10mlをシリンジに引き破棄します。
その後必要な量の血液を採血することで、採血データへの影響はほぼないとされています。
Q11 どれくらい抜けていればそのまま様子をみるのでしょうか?
留置する際、多少抜けても大丈夫なように深めに挿入しています。しかしTPNを行っている場合は、カテーテルの先端が上大静脈から抜けている可能性があるため、静脈炎のリスクを考え使用中止します。抜去を疑う場合は医師に報告し、レントゲンで確認する必要があります。
レントゲン撮影が困難な場合は当院へお問い合わせください。
Q12 拘縮が強い患者様でもPICC挿入の適応となるのか?
拘縮自体がPICCの適応とはなりませんが、拘縮により血管確保が困難な症例ではPICC適応となります。エコーで安全に穿刺可能な血管を確認し挿入しています。
Q13 手技の習得について時間はどのくらいかかるのか?
特定行為は研修センターで1年間、規定の研修を受ける必要があります。前半の6か月で特定看護師に必要な共通科目を、後半の6か月間でPICCの適応からメリット・デメリット、実践で手技を学びます。実技試験で合格後、実際に患者に挿入することとなります。現在でも手技の上達のため自己学習や、練習に励んでいます。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談下さい。
田岡病院 患者支援センター
TEL:088-612-8727
FAX:088-612-8630