看護部
看護部総師長からのメッセージ
TAOKAこころの医療センターは徳島県内の幅広い精神科医療の実現に向けて、医療・看護・介護におけるあらゆる分野で、革新的な取り組みにチャレンジしてきました。
当院の看護部はその理念『患者様一人ひとりを大切にし、公平で温かく信頼される看護を目指します』の実現に向け、日々努力を積み重ねています。
ここで、当センター看護部の教育プログラムなどについてご紹介したいと思います。
まず、PNS(看護提供方式:Partnership Nursing System・パートナーシップ・ナーシング・システム)方式を取り入れ、一般科の経験のみで精神科領域での勤務経験を有しない看護師と精神科看護の経験が豊富な看護師、また、身体面でのケアを得意とするケアスタッフが相互に知識・技術を教え合い、「助け合えるフォーメーション」が可能な職場づくりを目指しています。
次に、新人看護師の研修プログラムに「一般科看護」と「精神科看護」の知識・技術を同時進行の形で習得できるようにカリキュラムを組んでおります。
そして、新人看護師の教育に並行して働いてる看護職員の継続教育の充実化を図るため、「看護師向け講義のネット配信」(e-ラーニング)による「基礎習得コース」、「精神科コース」、「看護研究コース」などの研修をパソコン・スマートフォンなどでも自己学習ができるよう教育環境を整えています。
この他にも、看護協会や精神科看護協会主催の研修会への参加も積極的に支援しています。これで、当センター看護部の教育内容及び人材育成方法などについてご理解いただけたことと思います。
そして、もう一つお伝えしたいのが、TAOKAこころの医療センターは「仕事」と「生活」のバランスをとり、充実感の持てる働き方ができる魅力的な職場ということです。
当センター内の敷地には24時間運営の保育園があります。出産後「いざ仕事復帰!」と思ったとき、子どもの預け先はどうするか、仕事と育児、家事を両立させられるかどうかなどの不安をお持ちの方も、安心して働くことができる職場です。
現在、地域の精神科患者様のニーズに応え、徳島県の精神科救急体制の充実を図るため、「精神科救急病棟」(※1)及び「認知症治療病棟」(※2)などを設置しています。
TAOKAこころの医療センターはみなさんのダイバーシティを尊重します。
これからのTAOKAこころの医療センターのイノベーショを担う人材として、皆さんのチャレンジをこころよりお待ちしています。
TAOKAこころの医療センター看護部総師長 新田かおる
※1 徳島県初の「精神科救急病棟」として認可されました。「スーパー救急病棟」とも呼ばれていて、最上位の施設基準で認められるので、人員配置・設備・医療水準ともに厳しい基準をクリアする必要があります。
※2 「認知症治療病棟」は精神保健福祉法に基づいた、認知症高齢者の方を対象とした専門病棟です。
看護部基本理念・基本方針
基本理念
患者様一人ひとりを大切にし、公平で温かく信頼される看護を目指します
基本方針
- 患者様に寄り添い心のこもった看護を実践します
- 患者様の人としての尊厳を守ります
- 常に自己研鑽に努め、専門職として成長し続けます
- 多職種との連携を図り、チーム医療の一員として責任と役割を果たします
令和6年度看護部目標
1. 人権尊重の職場づくり
1)働きやすい職場環境の整備
- 部署・個人の現状把握する
- 意見交換しやすい環境を作る
- 現状の評価・対策・実施を行う
2)倫理的感性を養い、職場で直面する倫理的課題の検討
- 倫理的感受性を養う研修を受講する
- 事例の振り返り(ディスカッション)をできる機会を設ける
3)患者様本位の安心・安全な医療の確立
- 患者様の意向を確認しながら、患者様にとって益となる選択ができるよう支援する
2. 病院の発展と安定性の追求
1)効率的効果的な病床管理
- 目標病床数以上を維持する
- 他職種間で情報共有を行い、ベッドコントロールを行う
2) 専門的知識や技術を備えた医療人の育成
- 個別の知識・技術を把握する
- 個別にあった研修を支援する
3) 実習生、研修生の積極的な受け入れ
- 実習生受け入れ年間スケジュールを把握する
- 実習生の指導を部署全体で協働する
4) 大規模災害への対応能力の強化
- 災害マニュアルの周知をする
- 各部署シュミレーション研修を行う
5) 診療報酬改定の周知
- 自部署の施設基準を把握する
- 病院全体に関する項目を把握し、協力する
各病棟特性
外来
精神科、思春期外来、こどもの発達外来の診察をおこなっています。
公認心理師によるカウンセリングや精神保健福祉士による外来相談も実施しておりますので多職種連携で患者様やご家族に通院していただける環境を整えています。
2階病棟:スーパー救急病棟
急性期の精神状態の患者さまを受け入れる精神科救急医療を担う病棟です。集中的な治療を行い、早期回復・早期退院を目指します。また、治療抵抗性の状態にある統合失調症の患者さまに対して薬物療法(クロザリル)を導入しています。院内では、多職種で構成された「クロザリル治療委員会」を定期的に開催し、適応となる患者さまを対象に治療を行っています。
※ クロザリルは、この薬についての講習を受け重篤な副作用に十分に対応でき、かつクロザリル患者モニタリングサービス(CPMS)に登録された医師、その他の医療スタッフのいる医療機関において処方できるものです。クロザリル患者モニタリングサービス(CPMS)は、対象の患者さまに対して適切な頻度で検査が行われ、安全に使用されているか確認するシステムです。
3A病棟:高齢者病棟
慢性期疾患、高齢者の患者さま、身体化疾患に対する治療が必要な患者さまが多く入院されています。
精神疾患、身体化疾患に必要な治療・ケアを行いながら安心して療養していただけるよう努めています。
3B病棟:認知症治療病棟
認知症と診断され自宅や施設での療養が困難な患者さまが入院されています。患者さまのADL低下を防ぐために行動制限を最小に努めながら「生活機能回復訓練」を行っています。
4A病棟:精神療養病棟
症状が安定した患者さまや、長期入院による治療が必要な患者さまが入院されています。
作業療法や日常生活指導を通じてセルフケア能力が向上し、社会に復帰できるよう支援を行っています。
4B病棟:身体合併症病棟
精神疾患を持ちながら身体科疾患の治療継続が必要な患者さまが多く入院されています。
7割以上の方が車イスへの移乗介助が必要な方で、色々な診療科や多職種が連携し対応しています。
持続点滴や経管栄養が必要な患者さまも療養されています。
5階 慢性期病棟(うち7床ストレスケアユニット病床)
慢性期疾患の患者さま、長期療養による治療が必要な患者さまが入院されています。
ADLは自立されている方が多く、作業療法や日常生活指導を通じて安心して療養ができるよう支援を行っています。
ストレスケアユニットでは、軽度のうつ、PTSD、適応障害などのストレス関連障害の患者さまを対象に、リラックスして療養して頂き、社会に復帰できるよう支援しています。
教育支援体制
新卒看護師
田岡病院・きたじま田岡病院・TAOKAこころの医療センターの教育担当看護師合同で看護育成部門が発足し、令和4年4月より3病院の新人看護師が集まって研修が実施されております。
TAOKAこころの医療センターは精神科単科の病院ですが、精神疾患をもち、内科的・外科的治療が必要な患者さまを多く受け入れしております。そのため、看護技術の習得・経験ができるよう看護師育成に力を入れています。精神科看護のみならず、一般科看護の知識・技術も習得できるよう1年をかけてカリキュラムを予定しています。多くの同期とたくさん学ぶ機会があり、また交流も深めることができます!
中途入社の職員
教育担当師長を配置して、全ての看護職員への学びの場の提供及び看護実践に必要な知識・技術を習得し、働きやすい職場環境の構築を目指しています。
- 精神科看護・看護部門の体制について
- 就業規則
- 電子カルテの操作方法
- e-ラーニングによる研修
- 日本精神科看護協会等の外部研修